緊急帝王切開の一部始終-40w3d

生むまでつわり 妊娠10ヶ月のつわり日記

妊娠40週と3日目、陣痛促進剤を使った後、胎児の心拍低下によって、緊急帝王切開になりました。

意識があるのに切られる、縫われるというのは恐怖でした。

子宮外妊娠時にすでにお腹を切る手術を経験しているとは言え、今回は13センチの開腹です。
そして術後には切開部分の痛みに加え、長期間の排尿痛、排便痛(私の場合腸内の癒着が酷く、前回の外妊術後1ヶ月痛みが続きました)も待っていると思うと非常に憂鬱でした。

けれど、今回の手術で何よりつらかったのは、手術中にめくるめく襲い掛かる嘔吐感でした。

もともと私の体は麻酔を受け付けない体質なのかもしれません。薬で足が痺れ始めたあたりから猛烈に気分が悪くなって行きました。

この気持ち悪さはどう言えば伝わるのでしょうか?
正座を何時間もして痺れきった足の状態が、肋骨から下全体を支配し、肺までそんな状態で、上手く息ができない、かろうじて手だけを自分の意志で動かせるけれど、両手首は固定されていて、指を動かして気を紛らわすのが精一杯。
そんな状態の中容赦無く襲い掛かる嘔吐感。

緊急帝王切開となったため、直前に食べていたものが胃にしっかり残った状態での手術をしています。
そのせいもあってか、手術中ずっと吐き気が止まりませんでした、でも「動いたら駄目」だと叱られ、こみ上げてくる吐き気との真剣勝負を一時間以上繰り広げました。

手術開始から30分程して、急にお腹付近から鳴き声が聞こえましたが、感動できる程の心の余裕は微塵もありませんでした。
とにかく、一秒でも早く傷口閉じて麻酔を切って!そればかりを考えていました。

助産師さんは赤ちゃんをすぐに綺麗にして、私の目の前に持ってきてくれましたが、泣き声が余計に私の神経を刺激し、苦しさが助長され、早くどっかへやってほしいとしか思えませんでした。

可愛いとか愛しいとかいう思いは欠片も沸きませんでした。

むしろ、この猿っぽいのが自分のお腹から出てきたという事実が信じられず、同時に受け入れ難い気持ちになりました。

彼は彼なりに相当頑張ってくれたのは頭では理解しているのですが・・・
気持ちがついていけません。

術後の今、相変わらず気持ち悪さと、加えてお腹の痛みに苦しんでいます。
助産師さんに「赤ちゃん連れてきましょうか」と聞かれましたが「いいえ結構です」と徹底的に拒否してしまいました。

主人と義両親はとても喜んでくれていて、とりあえず妻として嫁として最低限の義務を果たせたという安堵感は感じています。

明日以降、体調が上向きになったら少しは赤ちゃんを可愛いと思えるのか、本当に心配です。

でもどんな気持ちになろうと、絶対に、責任を持って子育てしていこうと強く思っています。