「妊娠したら葉酸を摂取」とよく耳にしますが、なぜ葉酸が必要かはあまり知らない、という妊婦さんもいらっしゃると思います。
本記事では、「今、葉酸は本当に摂るべきなの?」と気になっている妊娠中の女性に向けて、
- そもそも葉酸とは何か?
- なぜ妊婦さんは葉酸の摂取を推奨されているのか?
- 葉酸が妊娠している体にどんな効果を与えるのか?
この3つの点から、極めて客観的に「妊娠と葉酸の関係」についてお伝えします。
葉酸とは?葉酸の成分と効果
葉酸は水溶性ビタミンB群の一種です。ビタミンB9・ビタミンMとも言われます。
葉酸の主な働きとして、以下の3つが挙げられます。
働き | 効果詳細 |
---|---|
赤血球の合成 | ビタミンB12と協力して必要な量の赤血球を合成し、貧血を予防する |
細胞の生成・再生 | DNA(遺伝子情報から)正常な細胞が生成されるのを助ける=胎児の障害や死産リスクの低減 |
ホモシスティンを抑制 | 心臓病や動脈硬化の原因となるアミノ酸「ホモシスティン」を別のアミノ酸へ変換し、疾患リスクを低減 |
葉酸は妊婦さんにどんなメリットがある?
上の表のとおり、葉酸には、
- 貧血を予防する
- 正常な細胞を生成する
といった役目があり、妊婦さんには欠かせない非常に重要な栄養素です。
逆に言いますと、葉酸が欠乏すると、これらの働きがうまく機能せずに、貧血になったり細胞分裂時にエラーが起こりやすくなります。
貧血が起こると、胎児に十分な酸素や栄養が行きわたらなくなります。
細胞分裂時にエラーが起きるようになると、赤ちゃんのダウン症リスクや、神経管閉鎖障害(無脳症や二分脊椎、口蓋裂などの先天性異常)のリスクが高まります。
実際に、妊娠初期(~妊娠4ヶ月)の葉酸摂取で神経管閉鎖障害の発症のリスクが大幅に減るという海外のデータもあるため、厚生労働省はこの時期の葉酸の摂取量を、妊娠していない時の2倍の量を摂取するよう推奨しています。
妊娠期別 葉酸を摂取することで得られる効果
実は、葉酸を摂取することで得られる効果は、妊娠期によって違います。
妊娠初期-胎児の障害のリスクを下げる
先述の通り、妊娠初期の葉酸摂取で、赤ちゃんが神経管閉鎖障害になる確率を下げることが出来ます。
妊娠中期-体調を整え、流産を予防する
妊娠中期以降の葉酸を摂取は、自律神経のバランスを整えてつわりを軽減させたり、血流を保つことで流産の予防に繋がります。
妊娠後期-抜け毛などのトラブルを軽減
妊娠後期の葉酸摂取は、産後のトラブルを軽減する効果があります。産後のダメージからの回復を早めたり、女性ホルモンの変化で起こる産後の抜け毛・薄毛の予防をしてくれます。
出産後-母乳が出やすくなる
葉酸は、血液を作る成分の1つですから、血液が原料である母乳の出にも良い影響を与えてくれます。
こうしてみると、妊娠初期はもちろん、妊娠全期にわたって葉酸を摂取したほうが良いことがわかります。
葉酸の妊婦推奨摂取量は、非妊娠時の2倍の480μg
妊婦さんに葉酸が必要不可欠なのはわかりましたが、「妊娠中は通常の2倍摂りましょう」と言われても、どの位の量を摂れば良いか、あまりピンと来ませんよね。
2015年版・厚生労働省「日本人の食事摂取基準」を調べましたら、女性の葉酸の推奨摂取量は以下とのことです。
量 | 一般 | 妊娠中 | 授乳中 |
---|---|---|---|
推奨量 | 240μg | 480μg | 340μg |
推定平均必要量 | 200μg | 400μg | 280μg |
耐用上限量 | 1000μg※ | 1000μg | 1000μg |
※サプリなどのプテロイルモノグルタミンでの摂取の上限(後述します)
また、厚生労働省は、下記のようにも通達しています。
妊娠可能な女性への注意事項としては、胎児の神経管閉鎖障害のリスク低減のために、付加的に400μg/日のプテロイルモノグルタミン酸の摂取が望まれる。
これは、妊娠中は食事から摂取するのとは別に、「サプリなどの栄養補助食品から葉酸を摂るのが望ましい」という意味です。
「葉酸は、調理された食事からはほとんど摂取できない」という特性があるため、このように通達されていると考えられます。
葉酸が食事からの摂取が困難な理由
葉酸が多く含まれる食材を挙げると、うに(360μg/100g)や、モロヘイヤ(250μg/100g)などがありますが、葉酸には、以下の2つの特性により、実際に摂取できる量はかなり少なくなります。
【葉酸の2大特性】
- 水、熱、光に弱いため、調理すると含有量の30~40%が失われてしまう
- 食物に含まれる葉酸は体内吸収率が50%と低い
この2つのデメリットが、効率的な葉酸摂取の壁となっています。
このため、サプリメントでの摂取が確実とされていますが、「普段の食事だけでまかないたい」という妊婦さんもいらっしゃるかもしれません。
その場合は、葉酸の含有量が高い食材を、生で食べる、もしくは蒸し料理や電子レンジで調理なさるのをおすすめします。吸収の減少を少し抑えることができます。
葉酸を多く含み、かつ摂取量をあまり落とさずに調理できる食材をご案内しますね。
⇒葉酸をサプリメントで効率よく摂りたい妊婦さんはこちら(おすすめ葉酸サプリの行までワープ)
食事から葉酸を摂りたい妊婦さんにおすすめの食材
- 葉酸を多く含んでいる
- 生でも食べられる
この2点をクリアしている食品を選んでいただけたらと思います。
ほうれん草
ほうれん草は100gあたり、生で210μgの葉酸を取ることができます。茹でると65%の葉酸が死滅してしまい、110μgの摂取となります。
ほうれん草は、妊娠中に不足しやすい鉄分も摂取できます。さっと水で汚れを落としてサラダにして食べるのがおすすめです。
ブロッコリー
ブロッコリーは100gあたり120μgの葉酸が含まれています。葉酸の吸収率を高めるビタミンCが豊富なので葉酸を効果的に摂取できます。また、ビタミンCが含まれているので風邪の予防にもなります。
ブロッコリーは鮮度が良いものは生でも食べられますが、「生はちょっと…」という妊婦さんは、電子レンジで蒸すのがおすすめです。
いちご
いちごには100gあたり90μgの葉酸が含まれています。洗うだけで食べられ、甘酸っぱくさっぱりとしているので、つわり時も葉酸が摂取しやすい食べ物です。
納豆
納豆には100gあたり120μgの葉酸が含まれています。葉酸以外にもビタミン群を豊富に含んでいるので葉酸の吸収率を高めます。鉄分やカルシウムも多く含まれているので貧血予防にも効果的です。
枝豆
100gあたり260μgの葉酸が含まれています。さやに入っているので茹でても葉酸の消失が少ないのが特徴です。また、納豆と同じ大豆類ですので鉄分やカリウムが多く含まれており、貧血予防に役立ちます。
葉酸をサプリメントからとる場合
女性の1日の葉酸平均摂取量は220μg~230μgと言われていますので、単純計算すると、通常の2倍の食事量を摂らないと推奨量に達しません。
葉酸の多い食材を意識的に食事に取り入れるのも1つですが、国も推奨しているのですから、サプリメントを使うに越したことはありません。
葉酸サプリメントの多くは、含有量を400μgとしています。食事摂取分と合わせると、625μg程度の葉酸が摂取できます。
どんな葉酸サプリを選べば良いの?
食品から摂取できる「ポリグルタミン(天然葉酸)」に対し、葉酸サプリは「モノグルタミン(合成葉酸)」という、体内吸収率を高めた葉酸を使用しています。
モノグルタミン(合成葉酸)の吸収率は85%と、ポリグルタミン(天然葉酸)と比べて3割以上も高いです。これが、厚生労働省が葉酸サプリを推奨している理由です。
モノグルタミンは「合成葉酸」と呼ばれていますが、多くの葉酸サプリメントは、「野菜・果物・酵母」などの天然素材から葉酸を抽出して作られた安全なサプリメントです。
しかしながら、一部、石油や化学物質から作られた葉酸サプリも存在しています。これらのサプリは胎児の肝臓や腎臓に負担を与えかねません。葉酸サプリメントご購入の際は、「天然由来」の合成葉酸を強くお勧めします。
管理人がおすすめする葉酸サプリメントと、おすすめの理由
葉酸サプリメントを選ぶ時には、体に安全かどうかはもちろんですが、充分な量の葉酸が摂取でき、かつ妊婦さんに必要な栄養を網羅できるようなサプリを選びたいですよね。
市販の葉酸は気軽に買えて安価ですが、安価ゆえ原材料や成分の配合バランス、添加物に心配な点が多いです。
例えば、赤ちゃん用品の代表ブランドである「ピジョン」から出ている葉酸サプリですら、安全性の確認が十分に取れていないステアリン酸カルシウムなどの添加物が配合されていたり、添加物の含有割合が全成分の8割近かったりと、おすすめできるものではありません。
葉酸サプリに注力して、それを主力製品として販売している通販の葉酸サプリのほうが、信頼性・栄養価ともに高い傾向にあります。
ここでは、
- 天然由来の合成葉酸
- 「GMP(医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準)」認定の工場で生産されている
- 葉酸の働きを助けるビタミンB12、ビタミンCや、妊婦さんに必須の栄養素である「鉄・亜鉛・カルシウム」もしっかり配合されている
これらの条件をクリアした葉酸サプリメントで、なおかつ、ご紹介するに値あるサプリを、その理由とともにご案内します。
充実の配合成分「美的ヌーボ」
- 安心安全!オール天然素材の「食品」
- 超高栄養価!赤ちゃんの脳の発育やママさんの美容にまで配慮
- 個別包装で持ち歩きも楽チン
他の葉酸サプリより値段が張ること、原材料全てが天然素材のため質感・においが少し気になるのがデメリットですが、その点を差し引いて考えても、おすすめするに値する葉酸サプリです。
この葉酸サプリは栄養価がずば抜けています。
妊婦さんの体調管理、赤ちゃんの健康だけでなく脳の発育、産後の美容にまで配慮した成分構成。
【美的ヌーボの栄養成分表示】
個人的な感情が入ってしまいますが、妊娠中に満足な栄養を摂れずに「病疾患児でかつ発達障害ボーダーの息子」を生んでしまった私としては、葉酸サプリを選ぶ際は、配合されている成分に妥協してほしくない、という思いがあります。
飲みやすさよりも、母子の健康とその後の人生を何より大事に考えて、美的ヌーボを一点推しさせていただきます。
(ちなみに「飲みにくさ」に関しては、サプリの真ん中に割り線が入っていて比較的簡単に半分の大きさにできますし、水を先に口にして飲めばニオイもそこまで気になりません)
美的ヌーボと一日の栄養推奨摂取量との比較
妊婦さんとお腹の赤ちゃんに特に必要な栄養素で比較しました。
美的ヌーボ | 推奨摂取量 | 平均摂取量 | 働き | |
---|---|---|---|---|
B6 | 100mg | 1.2mg | 0.9mg | つわり軽減 |
B12 | 100μg | 2.4μg | 3.0μg | VB6効果活性 赤血球形成 |
葉酸 | 400μg | 480μg | 220μg | 胎児の脳や 神経を育成 |
鉄 | 15mg | 6.5~ 18mg※ |
6.1mg | 胎児の脳や 神経を育成 |
亜鉛 | 7.5mg | 10mg | 6.9mg | 味覚異常改善 胎児の発育 |
Ca | 250mg | 650mg | 374mg | 母体の骨密度の維持 |
※女性の栄養平均摂取量(中央値)の出典:厚生労働省「2014年 国民栄養調査結果」。鉄の推奨量は妊娠中期以降18mgとなります。
ご覧のように、美的ヌーボは通常の食事が摂れている妊婦さんはもちろん、食べつわりや食欲不振に悩まされて栄養の偏りが心配な妊婦さんの栄養もしっかりカバーしてくれる、心強いサプリメントです。
このサプリは、つわり中にもおすすめです。別途詳しくご案内しています。⇒【ビタミンB6含有】美的ヌーボのご紹介
逆にこれだけ高配合だと過剰摂取の心配はないの?
美的ヌーボは、「ビタミンE(302mg)とビタミンB6(100mg)が一日の推奨量を上回っているので過剰摂取が心配」と感じる人もいるようです。
しかし、ビタミンEは国が定める耐用上限量650mgの半分以下の配合量※ですし、ビタミンB6は「水溶性ビタミン」のため、不要な量は吸収されず体外に排出されます。
1日の用量を守って摂取する限り、過剰摂取を気にする必要はないと思います。
ソース:厚生労働省「日本人の食事摂取基準の概要(2015 年版)」
他の有名葉酸サプリとの比較
売れ筋の有名葉酸サプリとの栄養価の比較も出しておきますね。
食事からの平均摂取量を加算して推奨量に達しそうな配合量には〇をしています。
美的ヌーボ |
ベルタ葉酸サプリ |
AFC | ヤマノ |
|
---|---|---|---|---|
B6 | 100mg | 4mg | 1.8mg | 4mg |
B12 | 100μg | 未回答※ | 2.4μg | 2.4μg |
葉酸 | 400μg | 400μg | 400μg | 400μg |
鉄分 | 15mg | 16mg | 2.5mg | 12mg |
亜鉛 | 7.5mg | 12.35mg | なし | なし |
Ca | 250mg | 232mg | 200mg | 190mg |
美的ヌーボは、1日あたりでコスト換算すると223円となります(定期購入の場合)。
ファーストフードの薄いコーヒー1杯分の金額で、高栄養価の天然サプリを飲み続けられる…そう考えると、高くない気がします。
出産後からですが、私も飲んでいました。
個人的には、美的ヌーボが最強の葉酸サプリだと確信していますが、
「予算的にもっと安い葉酸サプリが良い」
「無味無臭で小粒の飲みやすいタブレットじゃないと嫌」
という方もいらっしゃるかもしれません。
美的ヌーボには及ばぬものの、それぞれの点で他の葉酸サプリよりも頭一つ抜けている葉酸サプリをご紹介します。
売り上げ&人気NO.1葉酸サプリ「ベルタ葉酸サプリ」
- みんなが選んでいる人気NO.1葉酸サプリ
- バランスの良い成分配合
- 味やにおいが無く、小粒で飲みやすい
ベルタ葉酸サプリは、とにかく知名度が抜群で、飲んでいる人が多い、これにつきます。
ビタミンB12の配合量について窓口に問い合わせしても回答が無いこと(=たぶん微量と想像できます)、無添加と謳いながら安全性の確証が持たれていない添加物(ステアリン酸Ca)が1つ使われている点は気になりますが、「みんなが飲んでいる」という安心感は評価すべきところかと思います。
無味無臭・小粒で飲みやすく、お値段も美的ヌーボより4割ほど安いので、食事に気を付けながら補助的に葉酸サプリを利用するならこちらで十分かもしれません。
※公式HPより引用
他の葉酸サプリはどうなの?
上記でおすすめした葉酸サプリは、数ある葉酸サプリの中から、各商品の成分や購買者さんの口コミを参考に比較検証し、厳選したサプリです。
そして、おすすめしなかった他の葉酸サプリには「おすすめするに至らなかった理由」が存在します。
あくまで、当ブログ管理人である私の一意見ではありますが、小耳にはさんでいただき、あなたの判断の参考にして頂けたら幸いです。
葉酸サプリ名 | おすすめしなかった理由 |
---|---|
はぐくみ葉酸 | 添加物一切不使用で安心な葉酸だけど、鉄分が10mg、カルシウムが200mgと少なめ |
AFC | お値段1944円でお買い得だけど、鉄分が2.5mgとかなり少ない。カルシウムも200mgと少なめ。添加物を使用しているのも気になる |
オーガニックレーベルの葉酸 | 販売元の代表がコロコロ変わっていて信頼性が著しく薄く、原材料に妊婦が口にしてはいけない成分が含まれているなど、非常にお勧めしがたい商品 |
パティ葉酸サプリ | 「においがかなりキツイ」口コミ多数。各種ビタミンの成分量が公式HPで公開されていない |
ママニック | ベルタ葉酸サプリとほぼ変わらない内容だが、鉄分が10gと少なめ |
葉酸サプリの注意点-過剰摂取は禁物
葉酸は、取りすぎによる副作用が判明したため、1日の上限摂取量が設けられています。
最高でも1000μg/日の摂取にとどめるよう通達されています。
ただ、この数値はサプリで摂取する場合の葉酸の量を示しているので、食べ物から葉酸を摂取する場合は心配しすぎることはありません。
ちなみに、過剰摂取した場合の副作用には、食欲不振や吐き気、むくみの他に痒みといったアレルギー反応が現れることがあります。
サプリを摂取する際は、用量を守って摂取してくださいね。
妊婦さんが摂りたい葉酸のまとめ
栄養は食事から摂取するほうが体に良さそうな気がしますが、葉酸の場合はサプリでの摂取が大切だということがわかりました。
妊娠全期にわたって葉酸を摂取することで、お腹の中の赤ちゃんの健康を維持することができ、妊娠中の不安も取り除けると思います。
ご自身とお腹の中の赤ちゃんのためにも、葉酸を意識的に摂取して、かわいい赤ちゃんとの対面の日を迎えて頂きたいです。