妊娠線とは、妊娠により急激にお腹が大きくなり、皮膚の伸びが対応しきれずに真皮が避けてできる赤みを帯びた線のことを言います。
【妊娠中の妊娠線】
【出産後の妊娠線】
妊娠線は、お腹が目立ってくる妊娠5ヶ月~7ヶ月以降に出来やすくなり、なんと約7割の妊婦さんに出来てしまうと言われています。
「お腹が大きくなってきたけど、私も妊娠線が出来ちゃうのかな…?」
日々張ってくるお腹に、赤ちゃんの成長を感じて嬉しい反面、やっぱり女性ですもの、妊娠線のことも気になってしまいますよね。
このページでは、直近5年以内に出産された妊婦さん150人への調査結果をまじえながら、正しい妊娠線の予防ケアについて説明していきます。
どうして妊娠線ができるのか、どうしたら妊娠線を予防できるのかをわかりやすくまとめました。ぜひ参考にしてください。
妊娠線はなぜできるの?その原因は、「コラーゲン繊維の断裂」にあった
実は妊娠線は、皮膚の層にある「コラーゲン繊維」が避けることでできるんです。
【皮膚の断面図と妊娠線の原因となる断層】
上図の通り、皮膚は外側から表皮・真皮・皮下組織の3層構造になっています。
妊娠して急激にお腹が大きくなると、それに伴って皮膚も伸ばされます。
この際、一番外側の「表皮」はある程度伸びてくれるのですが、その下の層の「真皮」はコラーゲン繊維の層となっていて、柔軟性がないため負荷がかかると断裂してしまいます。
そして断裂したところから毛細血管が透けて見え、赤紫色の線が出てきます。これが妊娠線なのです。
コラーゲン繊維は一度割けると修復が難しく、妊娠線を消すのはほぼ不可能です。
妊娠線を目立たなくさせることは出来ますが、美容外科での処置が必要となり高額な費用がかかりますので、まずは線自体が出来ないようにしっかり予防したいところです。
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ちなみに、妊娠していない場合の急激な体重の増加や、筋肉への過剰な負荷によってできた線は「肉割れ」と言います。原理や対処法は妊娠線と一緒です。
妊娠線Q&A
妊娠線にまつわる気になる疑問をQ&A方式で解説します。
Q.妊娠した年齢と妊娠線のできやすさって関係ある?
A.関係しています。
歳を重ねると皮膚の弾力が無くなり、皮膚が引っ張られやすくなるため、コラーゲンの断裂も起きやすくなります。
そのため、若い頃の出産よりも年齢が上がってからの出産のほうが、妊娠線ができやすくなってしまいます。
Q.初産より経産婦のほうが妊娠線ができやすいってホント?
A.本当です。
一度出産を経験している経産婦さんは、子宮が伸びやすくなり、初産と比べて急激にお腹が大きくなる傾向があります。皮膚が伸びるスピードに耐えられずにコラーゲン繊維が切れやすくなるのです。
「一人目の時は全く出来なかったから、今回も大丈夫だと思っていたのに、二人目で出来てしまった」という声をよく聞くのはこのためだったんです。
Q.妊娠線はどこにできる?
A.妊娠線ができる場所には個人差があります。
一番出来やすい場所は下腹部(お腹)ですが、他にも下記のような場所にできることがあります。
- 胸
- わきの下
- お尻
- 太もも
- ふくらはぎ
- 足
Q.妊娠線の形はどんな形?長さや色は?
A.ギザギザしていて、長さは5センチぐらいから15センチぐらいです。
妊娠線は1本だけでなく、何本も出たりと様々です。
妊娠線の色は、出来たばかりの時は赤紫色をしていますが、時間が経つにつれて白みがかってきます。
Q.妊娠何週ごろにできる?
A.妊娠線が出来やすい時期は、妊娠5ヶ月から7ヶ月以降のお腹が目立ってくる頃ですが、この時期を過ぎてもまだまだ安心はできません。
下のグラフをご覧ください。
【妊娠線が出来た時期はいつ?アンケート調査結果】
当サイトが直近5年以内に出産された妊婦さんに行ったアンケートによると、妊娠後期である妊娠30週(妊娠8ヶ月)以降に妊娠線が出来てしまった人が、4割もいたことがわかりました。
妊娠後期はつわりも落ち着き、急激に体重が増加する頃です。お腹が目立ってくる頃に妊娠線が出なかったからと言って、妊娠後期に妊娠線の予防対策を怠るのは危険です。
Q.痛みやかゆみはあるの?
A.出来た直後は、痛みやかゆみがない場合が多いです。
妊娠線の画像を見ると、妊娠線が出来る時に痛みがあったり、かゆみがあったりするんじゃないかと思えますよね。
実際には、妊娠線が出来る瞬間は全く痛みやかゆみがなく、妊娠線が出来ていることに気付かない場合が多いです。
ですが、妊娠線が出来て時間が経ってから、かゆくなることが多いです。
断裂した真皮のコラーゲン繊維は、傷のような状態になっているため、皮膚は修復のためにかさぶたを作ろうとします。その時にかゆみが起きると言われています。
また、妊娠中はホルモンバランスの乱れが生じることにより、肌が敏感な状態になることも痒みに拍車をかけます。
かゆいのはなかなか我慢できませんが、掻きすぎて皮膚を傷つけてしまうと色素沈着してしまい、妊娠線が傷跡になって残る場合もあります。痒みは乾燥で助長されますので、保湿を心がけてどうにかやり過ごしていただきたいと思います。
Q.実は妊娠線じゃない!?正中線って?
妊娠するとお腹の真ん中あたりに一本縦に伸びる線が出る場合があります。これは妊娠線ではなく、正中線(せいちゅうせん)と呼ばれます。
【正中線】
正中線は、妊娠してから出来るものではなく、実は男女ともに生まれた時からあるものです。
胎児の時の細胞分裂の名残が私たちの体にはあり、正中線はその一つと言われています。
妊娠前は分からないほどの薄さですが、ホルモンバランスの変化により皮膚を黒くするメラニン色素が蓄積されやすくなることから濃く目立ってきます。
出産後、正中線はホルモンバランスが落ち着くにつれて薄くなっていきますので安心してくださいね。
先輩ママさんに聞いてみました。妊娠線はどこにできた?どんな状態?
妊娠線ができる可能性は何パーセント?妊娠線ができた人とできなかった人の違い
妊娠線の有無について、当ブログが直近5年以内に出産されたママさん150人へアンケートを行ったところ、以下のような結果となりました。
約6割の妊婦さんに、妊娠線ができてしまっていました。妊娠線ができる確率は、やはり高いのですね…。
妊娠中にクリームを塗れば妊娠線は絶対できない?先輩ママから学ぶ予防の正攻法
妊娠中にクリームを塗る等の対策をしたら妊娠線ができずに済むのでしょうか?気になるところだと思いますので、「対策した人の妊娠線の有無」についてもリサーチしてみました。結果は以下の通りです。
【妊娠線対策をした人の妊娠線の有無】
なんと、クリームを塗る等の対策をしたのに妊娠線が出来てしまった妊婦さんは、6割もいました。
妊娠線が出ないように対策をしても、必ずしも妊娠線を防げるものではないなんて…。
頑張ってケアをしたのに、妊娠線が出来てしまったらショックですよね。
ケアをしていたのに妊娠線が出来てしまった先輩ママさんの話を伺ってみたところ、その経験から学べる部分があるように思えましたので、掲載しますね。
頂いたコメントのように、「クリームを塗っていたけれど、塗るのを怠ったり、また保湿効果が薄いクリームを使うことにより妊娠線が出来てしまった」という声や、「急激に太ったときにできてしまった」という声が多数聞かれました。
妊娠線予防は、
- 手抜きせずに効果の高いクリームで保湿ケアする
- しっかり体調管理し、急激な体重増加が起こらないようにする
この2点を徹底できるかどうかにかかっていそうです。
「妊娠線は消えない」って本当?出産後、妊娠線はどうなるの?
もし妊娠線が出来てしまったら、その線は消えないと言われています。実際はどうなのでしょうか?出産後の妊娠線の様子について、先輩ママさんに聞いてみました。
妊娠線は薄くなるけれど完全になくなる可能性は低い
アンケートに回答いただいた先輩ママさんの中に、「妊娠線が消えた」と回答した人は一人もいませんでした。
やはり、妊娠線は薄く目立たなくなりますが、完全に無くなることはないようです。
産後の妊娠線が原因で温泉や海に気持ち良くいけなくなるなんて…。出産後の悩みが一つでも減るように妊娠線の予防のためのケアをしっかりとしましょうね。
妊娠線予防のために完璧な対策を!
妊娠線予防のためには、
- 保湿ケア
- 体重管理
をしっかり心がける必要があるとお伝えしましたが、この点をもう少し詳しく掘り下げていきたいと思います。
体重管理
ゆったりとした体重増加であれば皮下組織も皮膚が伸びるスピードに対応できるので、妊娠線ができる可能性を下げることができます。
赤ちゃんに必要な栄養はきちんと摂取した上で体重管理をしていきましょう。
保湿ケア
妊娠線予防のためには肌の乾燥は厳禁です。肌に潤いを与えるスキンケアをすれば、皮膚の保水効果から、柔軟さを保つことができます。
但し、ご案内してきたように、適当にクリームを塗るだけでは妊娠線は防ぎにくいです。
以下のケア方法を参考にしてくださいね。
お腹が目立つ前からケアを始める
肌に柔軟性をもたせ、皮膚の伸びを良くするためには時間がかかります。お腹が目立ってくる(妊娠5ヶ月)前にケアを始めましょう。早めのケアで皮膚を良い状態に保っておけば、急激に体重が増えた場合でも妊娠線ができにくくなります。
クリームは1日2回使用する
保湿効果を保つため、クリームは朝と晩(お風呂上り)の2回塗りましょう。
使用するクリームは保湿性の高いクリームを使う
妊娠線専用のクリームを使う事をオススメします。
なぜなら、妊娠線専用のクリームは「妊娠線を予防する」という目的のために作られているので、ボディクリームとは異なる成分配合だからです。
【一般のボディークリーム】
- 肌表面(表皮)の乾燥を防ぎ潤いを保つ
- ひびやあかぎれ、しもやけ対策
- 引き締め効果や美白効果、香りなど、美容的効果
【妊娠線予防クリーム】
- 肌表面(表皮)の乾燥を防ぎ潤いを保つ
- 真皮への働きかけ
- 母体・赤ちゃんにも安心安全な原材料
一般的なボディークリームと、妊娠線予防クリームでは、配合されている成分の働きかけがいます。
肌細胞の活性化を促す葉酸や、コラーゲン同士の結束を強めて断裂をおきにくくさせる「シラノール誘導体」など、妊娠線予防に必要な「真皮」への働きかけを十分に考慮して作られています。
配合成分で選ぶ!妊娠線予防クリームおすすめベスト3
「妊娠線予防」のための専用クリームは、妊娠線の原因である「真皮(コラーゲン繊維)」に対して働きかける成分を配合しています。
一般的な保湿クリームは、表皮へのアプローチのみです。真皮の弾力にアプローチできないクリームに、そこまでの効果は期待できません。
先述のように、お腹の大きさ・年齢・初産かどうかなどによっても線が出来る確率は変わってきますが、万全を期したい妊婦さんには、専用クリームでの対策がおすすめです。
ここでは、高品質な保湿成分を配合していることはもちろん、「真皮の断裂防止に配慮した成分配合」のクリームに限定して、ご紹介してまいります。
-
ベルタマザークリーム
・コラーゲン繊維の結束を強める「シラノール誘導体」配合
・高保湿成分「コラーゲン」「スーパーヒアルロン酸」、細胞を活性化する「プラセンタ」配合
・無添加で妊婦さんにも安心
特筆すべきは、「シラノール誘導体」が配合されている点です。
シラノール誘導体は海外で妊娠線予防として有名な成分で、利用者の79%に効果があった、という研究結果も報告されています。特徴 詳細 香り つわりでも安心の柑橘系(グレープフルーツ)の香り 安全性 国産無添加オーガニック 内容量 120g(1本当たり1ヶ月分の使用量が目安) 金額 6,980円(定期購入4,980円、初回購入時500円) ⇒ベルタ妊娠線クリーム公式HPを見る -
NOCOR ノコア アフターボディ トリートメントクリーム
・真皮中のコラーゲンを産生する「FGF」配合
・皮膚の分厚い部分にも浸透する「浸透型ビタミンC誘導体」配合
・コスメアワード受賞の機能性オーガニック処方で妊婦さんにも安心
ノコアは、妊娠線アフターケアクリームとして有名です。最近、妊娠線予防用のケアセットを発売しました。表皮と真皮の両面からケアできるリッチなセットとなっています。
特徴 詳細 香り つわりでも安心のネロリ(ビターオレンジ)の香り 安全性 100%天然由来の無添加処方 内容量 150g(1本当たり1~1.5ヶ月分の使用量が目安) 金額 6,840円(3本セット購入時17,440円、1本当たり5,813円) ⇒NOCOR(ノコア)公式HPを見る -
AFC 女性100人の声から生まれた【ストレッチマーククリーム】
・女性100人の声が開発に活かされたクリーム
・妊娠線予防クリームとしては圧倒的コスパ
・国産無添加で妊婦さんにも安心
AFCの妊娠線予防クリームは、妊娠線専用クリームとしてはかなり低価格です。3本まとめ買いだと1本あたり2,500円と、ベルタやノコアの半額以下で購入できてしまいます。
ただ、真皮への働きかけが期待できる成分は「葉酸(血行促進&新陳代謝向上に働きかける)」のみで、やや力不足感が否めません。妊娠線予防に全力を尽くしたいなら、ベルタやノコアのクリームを選ばれたほうが良い気はします。
特徴 詳細 香り つわりでも安心のネロリ(ビターオレンジ)の香り 安全性 国産無添加 内容量 120g(1本当たり1ヶ月分の使用量が目安) 金額 2,800円(3本セット購入時17,440円、1本当たり2,500円) ⇒女性100人の声から生まれた【ストレッチマーククリーム】公式HPを見る
妊娠線予防のためのクリームの塗り方
クリームを直接肌に置き、手のひらの面全てを皮膚に当てるようにしながら、ゆっくりとマッサージしてクリームをなじませます。
下の動画はオイルを利用していますが、塗り方の参考になると思いますので載せておきますね。
動画拝借元:AMOMAマタニティオイル
余談ですが、この動画の提供元「AMOMA」さんは、癒しに関するマタニティー専用商品を揃えています。ハーブティーやアロマなど、私も愛用していました。
妊娠線のケアはお腹以外もしっかりと
先述のように、妊娠線は胸やお尻や太ももなど、お腹以外にも出来る可能性があります。
「最近ちょっと張ってきたな」「ここにできたら嫌だな」と感じる部分は、乾燥させないようにくまなくケアしたほうが、後悔が少ないと思います。
十分に潤わせる
日々のケアの積み重ねが妊娠線を出来にくくします。毎日塗るからと言って少量を塗っては意味がありません。塗るからには妊娠線0を目指しましょう。そのために、たっぷり潤わせましょう。
妊娠線予防のまとめ
「妊娠線は母親の勲章」とは言いますが、今は、「母親と女性を両立」する人が多い時代、妊娠線が出来ないに越したことは無いですよね。
日々のケアは大変ですが、妊娠線予防のためのマッサージタイムは、お腹の赤ちゃんをなでなでしてゆっくりと過ごす時間と考えれば充実した時間にできそうです。
体のケアとともに心のケアにも繋がる妊娠線予防。
ぜひ参考にしてくださいね。