食べつわりの症状、時期、軽減対策

食べつわり つわり症状と軽減対策

妊娠初期から食べつわりの症状を自覚する妊婦さんも少なくありません。

【 つわり期に経験した不快症状(複数回答可) 2016年調査】

食べつわりを経験した妊婦の割合

上のアンケート結果によると、「食べつわり」は「吐きつわり」「眠気つわり」に次いで、メジャーな症状のようです。
今回は、食べつわりの症状、時期、原因と軽減対策についてご案内します。

食べつわりの症状―繰り返される空腹感と吐き気

  • 空腹時、吐き気や胸のむかつきを感じる
  • 常に何かを食べていないと気持ちが悪い
  • 食欲が止まらず常に飢餓感を感じる

このような症状が、「食べつわり」と呼ばれています。

食べつわり症状は吐きつわりと同時に発生することも多く、胃にものが無くても、食べ物を口にしても吐き気に苛まされ、「もうどうすりゃいいのよ!」と苦しまれる方も少なくありません。

食べると吐き気がおさまる場合も、体調維持のために食事の量や回数が増え、体重管理が困難になるなど、妊婦生活に大きな支障をきたします。

食べつわりが始まる時期はかなり初期で、終わる時期の目安は5ヶ月頃

「食べつわり」症状は、妊娠初期、4週~6週あたりに症状が出始める妊婦さんが多いです。

「最近食欲が止まらないと思ったら妊娠だった」という体験談も良く聞きます。
中には、妊娠直後から食欲が増加する方もいらっしゃいます。

症状がおさまるのは、妊娠5ヶ月頃(妊娠16週~19週)の人が最も多く、次いで妊娠6か月頃(20~24週)の人が多いです。

どのつわり症状でもそうですが、中には産むまで食べつわりがおさまらない妊婦さんもいます。
体重管理の指導が厳しくなる妊娠後期までこの症状が続いたら、精神的にもおつらいですよね…

食べつわりの原因と考えられるのは「低血糖」と「自律神経の乱れ」

妊婦さんの空腹時の吐き気、食欲増加の主な原因は、「血糖値の低下」にあると言われています。

妊娠すると、プロゲステロンとエストロゲンという2種類の妊娠継続ホルモンが、多量に分泌されるようになります。

このうちのエストロゲンは、胎児の成長に合わせて子宮を大きくしたり、乳腺を発達させる作用があるのですが、このエストロゲンの分泌が増えると血糖値を下げるホルモン(=インスリン)の作用が高まり、低血糖状態になりやすくなります。

低血糖状態になった体は、血糖値を安定させるために糖分を欲します。脳が空腹を感じさせる指令を出し、結果、強い食欲が湧いて食に走ってしまいます。

低血糖状態は、空腹や吐き気と同時に、

  • 倦怠感
  • 悪寒(ガクガクとした震え)
  • 頭痛
  • めまい
  • 発汗

をもたらすことがあります。

こういった症状に複数心当たりがおありでしたら、あなたの食べつわりの原因は、低血糖にあると考えられます。

ストレスが原因で食べつわりになる場合もある

妊娠中は、ホルモンの多量分泌により自律神経が乱れやすくなります。

自律神経の調整が上手く行かなくなるとストレスを感じやすくなるのですが、この時、精神を落ち着かせるための手段として、脳が食に走ってしまうことがあります。
いわゆる「過食症」状態です。

  • 炭水化物をやたらに欲してしまう
  • 気分の浮き沈みが激しい
  • 些細なことにイライラしてしまう

このような症状に心当たりがおありでしたら、過食症改善対策をお試し頂くことで、食べつわり症状が緩和する可能性があります。

食べつわりの軽減に有効なのは、「食事の順番」と「摂る栄養素」

低血糖と過食症、どちらも、食事を見直すことで、症状軽減が期待できます。
それぞれの対処法をご案内してまいりますね。

低血糖が原因の食べつわり緩和策

低血糖症状を起こさないようにするためには、体内にぶどう糖が残っている状態を保つことが大切です。

食事の回数を5回以上に増やし、小分けにして食べることで、空腹を感じにくくすることができます。

低血糖の食べつわり時におすすめの食べ物

糖が含まれている炭水化物を摂取することで、低血糖状態は改善します。
柔らかいご飯やうどん、パスタなどがおすすめです。

この際、先に野菜サラダや海藻類などの食物繊維を摂ると、血糖値の上昇がゆるやかになり、症状のリバウンドを避けることができます。

但し、糖質を摂りすぎるのはNG

糖質を一度に多量摂取すると急激に血糖値が増加し、それを抑えようとインスリンも過剰分泌⇒さらなる症状の悪化を招きます。

また、糖質のトータル摂取量を増やしてしまうと、体重増加につながってしまいます。

お菓子やケーキなどの甘いものを多く摂るのはもちろん要注意ですが、先述のごはんやパンなどの主食(炭水化物)や根菜にも糖質は多く含まれています。

体重管理の点からも、これらの1日のトータル摂取量は増やさずに、食事の回数を多くしていただけたらと思います。

過食症状態が原因の食べつわり緩和策

一方、過食症状が招く「食べつわり」は、自律神経の乱れを改善することで軽減できると考えられます。

自律神経の調整に効果があると言われているのは、「セロトニン」という脳内神経物質です。
セロトニンはトリプトファンと呼ばれる必須アミノ酸とビタミンB6、マグネシウムを素として体内で生成されます。

下記の食材を意識して摂るようになさると、過食症状が緩和できるかもしれません。

トリプトフーァンを多く含む物質 100g当たりの含有量

  • 牛レバー  290mg
  • 豚ロース  280mg
  • 鳥むね肉  270mg
  • すじこ   330mg
  • かつお   310mg
  • まぐろ   300mg
  • パスタ   150mg
  • そば    120mg
  • 白米    100mg
  • チーズ   290mg
  • ヨーグルト 50mg
  • 牛乳    40mg

植物性の方が、セロトニンの材料として利用されやすいそうです。

ビタミンB6を多く含む物質 100g当たりの含有量

  • にんにく  1.5mg
  • まぐろ   0.94mg
  • 牛レバー  0.89mg
  • かつお   0.76mg
  • 鳥ひき肉  0.68mg

マグネシウムを多く含む物質 100g当たりの含有量

  • 焼きのり  300mg
  • きな粉   240mg
  • 煮干し   230mg
  • 納豆    100mg
  • 昆布の佃煮 98mg

「吐きづわりも酷くて、生ものとか肉とかにんにくとか無理!!」という場合は、サプリメントに頼るのも手かと思います。
食材から必要量を摂取するのと比べて、かなり簡単に、かつ十分な量の摂取が期待できます。

サプリの中でもビタミンB6やマグネシウム、他栄養素の含有量が特出して高い妊婦推奨サプリメントのご案内はこちら

食事以外の軽減方法-アロマを使って自律神経を安定させる

食事以外での食べつわり軽減方法として、アロマテラピーが有効かもしれません。
アロマテラピーには、自律神経などの内分泌系の働きを調整する作用があります。
当サイトで行ったアンケートでも、「食べつわりを軽減できた」という声が寄せられました。

妊婦さんのアロマ活用術。つわり期など妊娠期別おすすめ精油とNGオイル・マッサージ方法をイラスト付きで解説

妊婦さんが妊娠初期から安全に使える精油は柑橘系の精油です。

当サイトでは、助産婦さんが妊娠初期の女性のために作った安心安全なアロマをお勧めしています。
柑橘系3種の精油がブレンドされていて、食べつわりのほかに、胸のムカつきや吐き気・においつわりの軽減、情緒の安定などに効果が期待できます。

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※アロマテラピーは多くの人に効能を認められていますが、症状を劇的に改善するまでの効果は期待しずらいと思います。個人的には、つらい状態の妊婦さんには、先述のビタミンb6含有サプリメントをおすすめします。